こんにちは,司法書士の加納です。ブログは週1更新を心がけていますが,先週サボっちゃいました。皆さんも自分の中で『こうだ』と決めているのに,いざ実践となるとうまくいかないことたくさんありますよね。そんな感じですr( ̄_ ̄;)
さて,言い訳も終わったところで今回のブログは間違い探しです。
まず次の文章を読んでみてください。世間一般では問題ないかもしれませんが,我々弁護士・司法書士の業界人からすると変なことを言ってると感じます。分かったらスゴイですよ♪
父が一昨年亡くなり相続手続きをする間もなく後を追うように昨年母も亡くなりました。相続人は兄と妹である私の2人だけなので,兄と相談した結果,私が遺産相続を放棄することで話がまとまりました。
その後,司法書士が用意したいくつかの書類に実印を押して印鑑証明書を渡し,実家の名義含めてすべて兄に名義を変える手続きをしました。
私は金八先生でも国語の先生でもないので,文法やら言葉の使い方が間違っている類の指摘はスルーさせて頂きますが,法律的には2つ間違いがあります。
1つ目は,遺産相続を放棄したというところです。
以前のブログで,相続放棄は家庭裁判所に対してしなければならないことを書きました。今回のように多くの場合は単に相続人間での遺産分割協議(家族会議)で,自分の相続分をもらわないと宣言したことを
相続放棄したと思い込んでいるだけ
で,法律上は相続放棄をしたことにはなっていません。
もっとも今回のケースでは,これまた前々回のブログのようにご両親に借金は無さそうなので正規に家庭裁判所で相続放棄の手続きをしなかったとしても,特に不都合は起きないかと思われますけど。
というわけで,相続放棄はしていませんので間違いです。
2つ目は,兄に名義を変える手続きをしたというところです。
これはマニアックなので,分からなくて当たり前です。実は名義変更というのは間違った言い方で,業界用語ならぬ正式名称はズバリ所有権移転と言うのです。所有者が相続という法律上の原因で移転したから所有権移転なのです。ただ,業界人ですが私は名義変更と言ってますけど。
昨年父が亡くなりましたので,実家の名義を変えるため,亡くなった父から兄に所有権移転登記を申請したんです。
う~ん,この言い回しは間違いなく司法書士か法務局の回し者でしょうねヾ(・ε・。)
非常に気持ち悪い言い回しですが法律的にはこう言うんです。繰り返しますが私は言いませんよ,シツコイですが,ここ重要です。
というわけで,2つ目の間違いは名義変更ではなく所有権移転と言わなければいけないところです。これは難易度Sランクの超難問でした。
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